事業開発部ゼネラルマネージャー 磯野 哲也 - Isono Tetsuya
三重県出身。
大手人材派遣会社にて派遣スタッフの採用責任者を務め、採用戦略の立案・実行を担当。
その後、株式会社テイチャクを設立し、独自のアルゴリズムとデータ分析に基づいた派遣会社向け定着支援サービスを開発。
2024年7月、株式会社テイチャクの吸収合併に伴いブレイン・ラボへ入社。
現在は事業開発部のゼネラルマネージャーとして、急成長する「マイリク」事業の戦略立案と組織構築を牽引している。
Q1. これまでのキャリアを通じて、「人材の定着」というテーマで起業しようと考えた背景にはどんな経験があったのでしょうか。
私のキャリアは、冷蔵倉庫を運営する会社の総合職から始まりました。
その後、人材業界にキャリアを移し、大手人材派遣会社で営業や派遣スタッフの採用責任者を務めてきました。
製造業向けの派遣会社に在籍していましたが、リーマンショックの影響が落ち着きはじめた頃から派遣のニーズが高まり、急遽派遣スタッフの採用業務を担当することになりました。
「人材の定着」というテーマを意識するようになったのはこの頃です。
当時は常時1万人を超える派遣スタッフが在籍していましたが、毎月のように数百人単位で退職が発生していました。つまり、その穴を埋め、さらに在籍数を増やしていくためには、常にそれ以上の人数を採用し続けなければならない状況でした。
広告費や採用費をかけて大量に採用を行っても、翌月にはまた同じ希望で人が減ってしまい、在籍数を維持するだけでも非常に大変でした。
現場を見ていると、適切なフォローがもう少しあれば、より長く活躍できたのではないかと感じるケースも少なくありませんでした。
また、離職の理由を振り返ろうとしても、明確に把握しきれないことも少なくなく、結果として採用や配置に注力する一方で、定着を支える仕組みづくりが十分に行き届いていないという課題を感じるようになりました。
こうした経験を通じて、採用と同じ、あるいはそれ以上に人材の定着に本気で向き合う必要があると考えるようになり、その課題に正面から取り組むためにテイチャク社を立ち上げました。
Q2.
立ち上げ当初に直面した難しさについて教えてください。
また、2024年にブレイン・ラボへ吸収合併するという判断に至った背景には、どのような思いがあったのでしょうか。
起業した当時、派遣業界では大量採用・大量退職が当たり前で、定着率を改善するという考え方自体がまだ業界全体に浸透していませんでした。
そのため、定着率の重要性をお伝えしても、「辞めたらまた採用する」「特に困っていない」と言われることが多く、正直かなり苦戦しましたね。
また、現在の「マイリク」のように最初からプロダクトがあったわけではありません。
立ち上げ当初はBPOという形で、アンケート配信や集計、分析まですべて手作業で行っていました。
今振り返るとかなり泥臭いやり方でしたが、実際に契約してくださったお客様の定着率が改善していく様子が目に見え、感謝の言葉をもらえたときは、この取り組みは間違っていないと実感できました。
一方で、このやり方を続けている限り、支援できる企業数に限界があるとも感じていました。定着支援をもっと多くの現場に広げるには、仕組みとして提供できるプロダクトが必要だと考え、開発へと舵を切りました。
その開発資金や事業基盤を整えるために、人材紹介事業にも取り組むようになり、その過程で出会ったのがブレイン・ラボです。
テイチャク社で「CAREER PLUS」を利用したことをきっかけに業務提携が始まり、その延長線上でM&Aのお話をいただきました。
吸収合併という選択肢が現実的になる中で、あらためて立ち返ったのが、私たちが一貫して大切にしてきた考え方です。
それは、本来であれば辞めずに済んだはずの離職を減らし、働く方々が安心して働き続けられる環境をつくりたいという想いです。
だからこそ、このサービスを限られた一部の企業だけでなく、より多くの現場に届けていく必要がある。その実現に向けた選択肢として、事業をより早く成長させ、サービスを広く展開できる吸収合併という決断に至りました。
ブレイン・ラボが持つプロダクトの拡張性や営業力、データ基盤を踏まえると、一緒になることで実現できる未来は、単独での成長とは明らかに違うと感じました。
また、ブレイン・ラボには人材業界出身のメンバーが多く、現場の課題感を一から説明しなくても通じる安心感がありました。
代表の中江も製造現場での実務経験があり、現場で何が起きているのかを前提に話ができる方でした。そうした価値観の近さも、この判断を後押ししてくれた大きな要素だったと感じています。
Q3. 「マイリク」は、今後どのような世界を目指していくのでしょうか。
「マイリク」はもともと、人材派遣業界の定着改善を目的に生まれたサービスでした。
しかし、現場の課題に向き合う中で、この仕組みは派遣に限らず、ノンデスクワーカー(※)領域全体にも共通して求められているものだと感じるようになりました。
ノンデスクワーカーの現場では、採用と離職が繰り返されやすい一方で、エンゲージメントを把握する仕組みがほとんど整っていません。
パソコンを持たない働き方が前提のため、離職の理由や現場で起きている変化が見えにくく、十分な対策を打てないまま人が離れていくケースも多いのが実情です。
「マイリク」は、普段使っているLINEを起点に現場の声を拾い、それをデータとして可視化できるサービスです。
アンケート配信や独自のスコアリング、カスタマーサクセスの伴走を通じて、現場で何が起きているのか、どこに手を打つべきなのかを明確にすることができます。この点は、これまで十分に支援が行き届いてこなかった領域にとって、大きな価値になると考えています。
少子高齢化が進む中で、人材一人ひとりの価値は確実に高まっています。
これからは、採用することだけではなく、人が現場で力を発揮し続けられる環境をどう作るかが、企業の競争力そのものになっていくはずです。
私たちは「マイリク」を人材業界にとどまらず、ノンデスクワーカー領域へと広げることで、人が定着し、活躍し続けられる環境づくりを支える仕組みを社会に実装していきたいと考えています。
個社の課題解決にとどまらず、日本全体の労働力最適化という社会課題に向き合い、業界構造そのものを変えていく世界を目指していきたいです。
※ノンデスクワーカー:オフィスのデスクではなく、工場・店舗・現場・医療福祉施設などで物理的な作業や対面サービスを行う労働者のこと。
Q4. ブレイン・ラボへの入社を考えている人にメッセージをお願いします
今の事業開発部の強みは、人材業界の構造や現場を理解したうえで、顧客の課題に本気で向き合える点です。
メンバーの多くが人材業界の現場を経験してきたからこそ、何が起きているのかだけでなく、なぜその課題が生まれているのかといった背景まで踏み込んだ議論ができています。
表面的な提案ではなく、顧客にとって本当に意味のある選択肢を一緒に考えようとする姿勢が、組織として根付いている点は大きな強みです。
一方で、これまでの成長は各個人のパフォーマンスに支えられてきた側面も大きく、仕組み化や型づくりはまだ発展途上です。
感覚や経験で成果を出してきた分、それらをどう再現性のある形に落とし込み、組織としての力に変えていくかが、今まさに向き合っている課題です。
だからこそ、これから仲間に加わってほしいのは、まだ整っていない部分を前向きに楽しみながら一緒につくっていける人です。
正解が決まっていない中で、どうすればもっと良くなるかを考え、試し、形にしていくプロセスを楽しめる方と働きたいと思っています。
事業開発部は、これから組織としての土台をさらに強くしていくタイミングにあります。
自分の考えや経験が、そのまま組織の仕組みやあり方に反映されていく実感を持てる環境です。
顧客と本気で向き合いながら、事業やプロダクトの未来を一緒につくっていきたい方に、ぜひ飛び込んできてほしいです。
美味しいものに目がありません
美味しいものを食べることが好きで、旅行先もご当地グルメを基準に選ぶことが多いです。